こんにちはゲストさん
突然ですが、スーツケースはファッションアイテムではありません。かばん屋さんに売っていますが、役割が違います。少し特殊な製品で、どちらかというと、耐久消耗品です。ここでは、スーツケースの生い立ちとその役目、使う人が知っておくべき情報をご案内します。
サンコー鞄がスーツケースを作り始めた歴史背景として、 元々は戦後、米国人が帰国する際の手荷物を入れる頑丈なトランク作りから始まりました。 最初はキャスターやキャリーバーがついておらず、布を貼った木の板や厚紙でできており大変重量がありました。
やがてこれらのかばんは、旅行をする日本人も使用するようになりました。 欧米人と比べ体格的に劣る日本人が少しでも快適に旅行できるよう、 1971年、サンコー鞄により国内で初めてキャスターやキャリーバーを搭載したトランクが生まれました。 これがスーツケースです。スーツケースが現在の姿になったのは比較的最近のことなのです。
話を戻しますと、スーツケースはそのような 「空港荷扱いの強い衝撃から大切なお荷物を守る」 という特殊な役目を持ったかばんです。 ファッション用のかばんや精密機器を収納するケースとは異なることはおわかりと思います。
普段使っている身の回りの物に、そんな過酷な使命を課せられた物がありますか? それほどないと思います。ヘルメット、安全靴、これは衝撃から身を守るためのものです。 可愛い帽子、おしゃれな革靴。これは身を美しくドレスアップするためのものです。 スーツケースは衝撃からお荷物を守るためのもの。ヘルメットや安全靴のいるカテゴリに所属します。
スーツケースは頑丈に作られています。 サンコー鞄では数々の社内試験、外部試験を行い、クリアしたものだけを製品化、販売しています。 おしゃれで軽い試作品も、テストをクリアしなければ製品化しません。 開発室の倉庫には、試練を乗り越える事が出来ず生まれなかった新製品がたくさん眠っています。 インポートも同様です。たとえブランド元が全世界で販売していても、サンコー鞄が扱うからには、 サンコー鞄製品と同じテストをクリアしなければなりません。 これにより、品質に目の肥えた日本のカスタマーをも納得させられる、優れたインポートのみを取り扱う事ができるのです。
さて、そんなテストをクリアした精鋭スーツケースですが、 残念ながら形あるものです。想定以上の衝撃を受け壊れてしまうこともございます。 安全性を重視している頑強なあのお車だって、トラックと衝突すれば破損します。スーツケースも同じです。 修理が必要な破損はほとんどが空港で発生します。 空港係員は毎日何千個もの大量の荷物を、時間に追われながらさばいています。 しかもその一つ一つは形も大きさもバラバラで、一つは20キロ近くの重さがあります。 このような事情から、スーツケースが傷や破損なくターンテーブルから出てくることは非常に幸運なことです。
自分のスーツケースが破損していたら、気付いたその場で空港スタッフに申告してください。 ゲートを出てからは認められない場合が多いです。 キャスターやボディのへこみは目視ですぐに気づきますが、 キャリーバーが伸び縮みしないとか、鍵が開け閉めできない、フレームが歪んで開け閉めできない… などは家に帰ってから気づくことが多い破損部位です。
航空会社によって破損の免責事項がもうけられている場合があります。 ご利用の航空会社によっては、ほぼすべての破損に対し免責をうたっている場合もあります。 この場合は航空会社による補償が受けられませんが、 やはり空港スタッフに申告して破損証明書(事故報告書)を入手しておくと良いです。 後述の旅行保険が適応となる場合があります。
旅行中のスリ・ひったくり等による持ち物への損害をカバーしてくれる保険です。 搭乗前、簡単に加入できるカウンターがある空港もあります。 海外旅行で多く発生する、飛行機預入時のスーツケース破損・中身の破損も補償されます。 クレジットカードに付帯されている場合、旅行代金をカードで支払った場合にのみ 付帯されるケースと、持っているだけで自動的に付帯されるケースがあります。