重い荷物もラクラク運べる、便利なキャリー(スーツケース)。
駅でも、空港でも、小さなタイヤで一生懸命あなたについていく健気な姿は、まるで忠犬のよう!
でも、ちょっと周囲を見回してみてください。
ラクラクになって、喜んでいるのはあなただけ、なんてことないですか?
キャリーバッグをただの「かばん」と思って、無頓着に使っている人が多いようです。
でも、これは大きな間違い。
正しい使い方をしないと、周囲の人を困らせることになってしまいます。
素敵なキャリーバッグを、だらしなく後ろに引きずって歩いている人をよく見かけます。
伸び縮みするキャリーバーは一番長く引き出され、異様に傾斜したかばん本体が地面をこすって、表面はボロボロ…
言うまでもなく、間違った使い方です。
キャリーバッグは大変便利な道具ですが、自転車などと同じく、使い方を間違えると重大な事故を引き起こしてしまう恐れがあります。
ぎっしり荷物が入って10キロを軽くこえる重いものが、突然自分の足の上を通過して行ったら!
目の前を横切っていった人の後ろに、10キロの重いかたまりが急に現れたら!
JR各社では、こうしたキャリーバッグによる事故の多発を踏まえて、駅の構内などで注意をうながすアナウンスをはじめました。
あなたのキャリーバッグのマナーも、見られていますよ。
素敵な服に身を包んで颯爽と歩いていても、足もとのバッグのゆくえがお留守になっているのは、
道具を使いこなせていないと周りに証明しながら歩いているようなものです。
最新作のドレスを着ているのに寝ぐせぼうぼうのヘアスタイルでパーティーに行くのと同じくらい恥ずかしい!
ドキっとしたあなた。
しっかり読んで、次回からスマートで素敵な人に生まれ変わってくださいね。
(ディスカウントストアで扱っているような安価なものだと、調節できないものもあります)
キャリーバーを短くすると、足にぶつかるから… というあなた。
荷車を引っ張る牛のように、真後ろに引っ張るからですよ!
体の側面に持てば自分の足にぶつかることはないはず。
盲導犬を連れているようなイメージで。
こうすれば足に当たりませんし、キャリーバーも短くスマート。
混雑した駅を歩いている時に、突然背後で「イテ!」とい恨みのこもった叫び声を聞くことはなくなります。
4輪タイプのキャリーバッグなら、直立させたまま運べるので、ますますスマートです。
両腕を広げた円形のゾーンが、その人の空間「パーソナルゾーン」と呼ばれています。
この空間の中におさめられるよう、頑張りましょう。
片側をあけることが多い日本。エスカレーターを駆け上がっていく人の振動で、スーツケースが滑り落ち、重大な事故が発生しています。
エスカレーターに乗るとき、降りるときは、バッグを先に乗せる、降ろすような感覚で扱うと、後ろの人に迷惑がかかりません。
他人は、はるか1メートル下にあるあなたのバッグは眼中にありません。
自分が乗ってからバッグを乗せると、あなたの次にステップ(段)に乗ろうとしていた人は予想外に出現したあなたのバッグにつまづいてしまいます。
自信がない、どうしてもできないという人は、エレベーターを使いましょう。
まさか、シートの上に座らせたりしていませんよね。
基本、キャリーバッグは網棚・荷物棚の上へ。
上げられない時は、他の人の邪魔にならない場所へ置かせてもらいましょう。
新幹線・特急などでは、車両の一番後ろの座席の後ろに、小さな空間があることがあります。
そこへキャリーバッグを置いている人も多いです。
また、客車のドアの外に荷物スペースがある新幹線もあります。
どちらのスペースへも、置いたら車掌さんにそのことを伝えておきましょう。
4輪のキャリーバッグを床に置くときは、横倒しに置けば不意に動き出すことがなく、安心です。
誰も隣に乗らない・降りないことが分かっている時は、足元に寝かせて置くのも、足がらくちんです。
マナーは、思いやり。あなたも今日から、素敵なトラベラーです!